学習塾 ソアラ: 八王子 恩方地区(西寺方、上恩方、下恩方、小津町、川町)にある少人数個別指導学習塾

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#author("2016-09-20T12:46:50+09:00","default:editor","editor")
*証明例 [#zecadd38]
#author("2016-09-20T13:18:47+09:00","default:editor","editor")
*証明例 [#ea8cb58b]

図に $\triangle ABC$ と辺 $BC$ に平行で頂点 $A$ を通る直線 $p$ を記す。
頂点 $A$ の周りの角を調べれば、$\triangle ABC$ について題意の関係が成り立つことは明白。
$\triangle ABC$ の3辺の長さが既知であるとする。
辺 $BC$ の一方の端点 $B$ を中心として半径 $BA$ の円を描く。
同様に他方の端点 $C$ を中心として半径 $CA$ の円を描く。

これら2円の交点は二つだけあり、一方が $A$ である。
もう一つを $A'$ とする。
円は中心を通る直線に対して線対称であるから、辺 $BC$ で折り返してやると、
$\triangle ABC$ と $\triangle A'BC$ とを重ね合わせることができる。
だから、$\triangle A'BC$ は $\triangle ABC$ に合同である。

適当な移動(平行および回転)により$\triangle ABC$ あるいは $\triangle A'BC$ に重ねあわせることができる三角形は
$\triangle ABC$ に合同である、といえる。

&ref(./解答図.png,200x200);

さらに、円が中心を通る直線に対して線対称である、という性質から、他の合同条件も導くことができる。

#hr
平行線については小学校で学ぶことでしょう。
平行線を引くところまでできた中学生は、錯角などすぐにピンとくるようにしましょう。
また他の方法も考えてみましょう。
平行および回転の各移動が長さおよび角を変えない、こともきちんと説明できるとなお良いだろう。

なお、平行線を使った、この証明は初等幾何(ユークリッド幾何)では本質的なものです。
この関係が成り立たない幾何学の世界もあります。
興味がある人は更に非ユークリッド幾何学に進んでみましょう。
$\triangle A'BC$ は $\triangle ABC$ に鏡映(線対称)で重なるわけだから、
結局、$\triangle ABC$ に合同な三角形は本質的には $\triangle ABC$ 自身だけしかない。
$\triangle ABC$ とそれに合同な三角形の集合を考えたとき、この合同という関係は同値関係と呼ばれるものの例である。
$\triangle ABC$ をこの集合の代表元と呼ぶ。